いろいろな株に分散してたのに暴落のせいで全部マイナスだよ!
分散投資なんて意味なんて意味ないじゃないか!
コロナショックで株価が暴落して
「株の分散投資をしていたけど全ての銘柄が下がってしまった」
「分散投資なんて意味がなかった」
という言葉をちらほら目にすることがありました。
先に結論を言うと、『分散』はリスクを管理する上で非常に重要な考え方です。
このリスク管理は、投資において最重要項目といっても過言ではないので、しっかりとおさえておきましょう。
この記事では、分散投資の基本的な考え方と、リスクについて解説します。
分散投資で軽減できるリスクを理解して、より安全に資産を増やしていきましょう。
分散投資は意味がない!?ポートフォリオの考え方とリスク
なぜ分散投資が必要なのか?
分散投資で、リスクを減らせるのは間違いありません。
数学的に効果があると認められた投資の手法です。
1990年に ハリー・マーコウィッツ氏 が「 現代ポートフォリオ理論 」で
『リスクを抑えながら一定のリターンを得るためには、多数の銘柄や複数の資産に分散して投資することが有効である』
と示した 論文を発表し、ノーベル賞を受賞しています。
分散投資について解説する上で、かならず出てくる投資の格言があります。
「たまごのを一つのカゴに盛るな」
この言葉は、分散投資についてとてもよくあらしています。
仮に100万円を投資したとして、左の図のように一つの銘柄に100万円全額投資していた場合、すべてなくなってしまいましたが、右の図では、3つの銘柄に投資しているので、損失は1/3の約33万円で済みます。
その企業が素晴らしい銘柄だとしても、一つだけに投資していると万が一なにかあってその銘柄の株価が暴落、最悪つぶれてしまったらすべての資産を失ってしまいます。
最近では、東日本大震災で、原子力発電所に重大な被害がでた東京電力や、日産自動車がCEOを勤めていたカルロス・ゴーン氏が逮捕、起訴されたことにより、株価が暴落しました。
こういった、誰もが知っているような大型の企業もいつどのようになるかわかりません。
分散投資の効果的なやり方
では、実際にどのように分散をしていけばいいのでしょうか?
むやみやたらとたくさんの銘柄に投資すればよいわけではなく、分散には3つのポイントがあります。
市場の分散
市場の分散は、株、債券、不動産、金などの商品先物など、投資をする市場を分散する必要があります。
それぞれ値動きに特色があって、それらを組み合わせることによってリスクを分散します。
なるべく同じようなな動きをしないような資産に分散することが好ましいとされています。
例えば、株と債券は逆の値動きをしたり、金は「有事の金」などと言われて、何か事件があった時に買うと良い資産といわれてます。
※もちろんその時の相場の状況によって変わるので、こういった情報は鵜呑みにせず、あくまでそういう傾向があるらしい程度にとどめておきましょう。
更に株式のなかでも、景気に敏感な業種や、不景気になっても業績が落ちにく業種などに振り分けて投資する必要があります。
株の業種については別の記事で解説しているので、あわせてお読みください。
≪景気敏感株に気をつけろ!高配当投資で買うときの注意点≫
≪高配当株投資でおすすめの業種 【ディフェンシブ株】とは?≫
地域の分散
2つ目の地域の分散は、世界のあらゆる場所に資産を分散することです。
日本を含めたアジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、南米など地域を分散することによって、東日本大震災の時のように日本だけが被害を受けるようなことがあっても、アメリカやヨーロッパが調子よく経済成長してくれていれば他でカバーできます。
日本の株しか持っていない場合、日本全体からお金が逃げていくので、大ダメージになってしまいます。
時間の分散
3つ目は時間の分散です。
直近のコロナショックのように暴落は突然訪れます。
『暴落はいつ来るかわからない』
そう聞いて、投資をしている人は常に気持ちの面で準備していても、実際に暴落が起こるとその間に対応するのは極めて困難です。
コロナショックの凄まじい勢いの下落を体験した人は実感しているのではないでしょうか?
暴落の直前に一気に資金を株などに投資した場合、その直後に暴落が来た場合すぐに対応できず大損になってしまいます。
そういったことを防ぐために、投資に使える資金をしっかり管理して、時間をずらして少しずつ投資をすることで、暴落の直前に大量に購入してしまうことなどを防ぎます。
一定の期間ごとに間隔をあけて、同じ金額を投入する『ドルコスト平均法』という投資手法もあり、素人が自分の判断で売り買いするよりも利益を上げられるが高いとされる方法もあります。
どれくらい分散するのか?
仮に株式市場ではどれくらいの数の銘柄に分散するのが良いのでしょうか?
1銘柄から10銘柄に増やすまでに、リスクは10%程度まで下がります。
そこから30銘柄位まで緩やかに下がっていきます。
その先も少しだけ下がりますがほぼ横ばいです。
どれくらいの銘柄に投資するかは投資の手法によりますが、私は高配当株に投資として、配当金をもらうことで利益を出そうという投資法で、現在30銘柄程度に投資をしています。
暴落時は分散しても意味がない!?
リーマンショックやコロナショックなど
○○ショックという名前の付くような歴史的な暴落相場では、いくら市場や地域を分散をしていても、効果を発揮してくれません。
暴落相場では、みんながヤバイヤバイとパニック状態で、株や不動産などの資産を一気に売り始めます。
すべての市場から一気に資金が抜けていくので、地域や、市場の分散は効果を発揮しないのです。
実際にリーマンショックの時には、このように色々な市場で同時に下落しています。
これが、暴落時に分散投資に意味が無いと言われる理由です。
そこで、唯一効果を発揮するのが、時間の分散です。
暴落はいつ起きるかわからないし、いつまで続くかわからない、どこまで落ちるかもわかりません。
しかし、資産を増やすための絶対的な原則は、安く買って高く売ることです。
暴落したということはそれだけ安く買えるチャンスが来ているということです。
時間の分散を意識した資金管理で、暴落をチャンスに変えていきましょう。
いろいろあって面倒に思ったら
「そんなに細かくいろいろ買わなくちゃいけないのかぁ。。。」
と、めんどくさく感じてしまいますよね。
でもいちいち個別に買って分散投資しなくても大丈夫なんです。
実は、大手ネット証券のSBI証券や楽天証券にある投資信託は、そういった分散をまとめてやってくれる優良な商品がそろっています。
銀行の窓口ので購入する投資信託と違い無駄な手数料を取られたり、余計な商品を売りつけられることもありません。
分散投資が手間だと感じら、こういったネット証券で投資信託を購入するのが手っ取り早いです。
積み立てNISAという制度を使うと、地域や市場の他に時間の分散もできるので、非常に会勧めです。
積み立てNISAについてはこちらの記事で解説しているので合わせてお読みください。
≪初めて投資をするなら【積み立てNISA】が最適な2つの理由≫
まとめ
- 分散投資は数学的に認められたリスクを回避する方法
- 市場・地域・時間を分散する
- 分散する数は10銘柄以上
- 市場・地域の分散は暴落に弱い
- 時間の分散が暴落に効果的
コメント